旋盤導入


旋盤習熟の過程(ほとんど絵日記です)

2001.3.31

旋盤購入

2001.4.22

中ぐり

2001.4.15

切削開始

2001.4.30

タンク鏡板の切削

バイトなど

2001.5.3

ミクロの切削

作業後のメンテナンス

BACKNEXT


ミクロの切削

今日のテーマは極小部品の切削です、ミクロはオーバーですが。
導入から半月、KS-200のくせもだいぶ判ってきましたが、いったいこの旋盤でどれだけ小さいモノを加工できるのか、試しみました。

即席切り粉ガード着用!(右写真)

その前に、毎回後かたづけで気になるのはヨコ送り台の送りネジに絡まる切り粉です。親ネジにはガードがあるのでそうそう切り粉が溜まることもありませんが、送り台のネジは回りが埋まってしまうほどになってしまいます。
そこで、フライス盤でほとんど使用していない切り粉ガードを外して送り台に引っかけてみました。大きさも丁度良いので、透明塩ビ板で自作してもいいかもしれません。効果は絶大です。

ミクロの切削開始

では、本題。
今日の課題は極小パーツなので、真鍮棒も3mm径を用意しました。

外径削りとテーパー削りで左のパーツを作りました。
この部品の最大直径は2.6mmです。

Nゲージ貨車のブレーキシリンダーです。
切削順序は、最大径を外径切削し、徐々に径の小さな部分の加工に進んで行くようにしました。テーパー部と左側の最大径部分に挟まれた部分は、実車では帯金が回っているため、帯金部分(0.15mm)を残して切削しなければなりません。

ところが、一般のバイトではこのような狭い部分を削り込むことができないので、右の写真のような自作バイトを作りました。

自作バイトというと大袈裟ですが、実はカッターナイフの刃です。
刃の背の部分をオイルストーンで右勝手に研いで突っ切り用のホルダーに差し込んで使っています。

割と調子がいいので、左勝手、突っ切りも作ってみました。
帯金回りはこのバイトで0.05mmずつゆっくりゆっくり削ったものです。
残念なのはすぐに切れ味が悪くなってしまうことで、何度か研ぎ直して使いました。さらに、研ぎ出せば薄くすることもできるので、微細な彫り込みや突っ切りには使えそうです。

右の写真は次の部品(下が完成)を切削中の様子。
こちらは最大径が0.8mmで、右の写真の状態では最後の突っ切り部分の切りシロを含めて8mm程の長さを外径切削したところです。バイトは仕上げの右勝手、仕上げバイトで0.8mm径部分では切り込みを0.025mmずつ進めていけばなんとか削ることができました。

さらに左の完成時には最小径0.5mmの部分が長さ4mmあり、これ以上削ろうとするとさすがに材料が逃げてしまいます。0.5mm径になると切り込みの深さも0.016mmずつ(0.5mmの1/3)で、バイトを往復させて仕上げるようにすると上手くいくようです。

作業はルーペで覗きながらという離れ業になってしまい、ほとんど病気(^^;)状態。目が疲れます。

このくらい小さくなるとバイトの高さが結構シビアに効いてくるので、バイトを交換するときにはスコヤに印をつけた心高にきっちり合わせる必要がありました。
(右の写真・見難いですがスコヤに線をケガいてます)

結局、左右2つを合わせて4つの小パーツが完成しました。

左上や右のパーツのように、チャックにくわえた状態で最大径の左に小さな径がくる場合、片刃バイトでは無理があると思って突っ切りで削りましたが、0.5mmぐらいになるといつ突っ切ってしまうかヒヤヒヤものです。

最後に、テーパー部分がいくつかありましたが、このくらい小さい(短い)テーパーならトップスライドでなくても刃物台で角度を合わせて突っ切りバイトで削る方が馴染んでいたように思います。トップスライド自体に若干ブレがあるので、刃物台の方がしっかりしていていいということでもあるのですが。

また、最後の突っ切りで部品を切り落とすと、部品側にも突っ切り切れなかったおへそが残るのですね。0.3mm径ぐらい残ってちぎれる感じですが、これをヤスリで仕上げるのもルーペ頼り・・・(^^;)、旋盤での加工に比べてヤスリの精度が気になってしまいます。

ということで、今回は目一杯小さいモノに挑戦してみました。
KS-200、極小パーツにも使えますネ。

BACKTOPNEXT