Making of 逗子海岸電軌1

◆Let's make a small world with light rail !

↑カメラは平井編集長           池口大人↑

◆モジュールの規格

逗子海岸電軌は、12の大モジュールと2つの小モジュール、3つのサブモジュールで構成されている。
大モジュールとは言っても、そのサイズは900×450mm、小モジュールは450mm正方、サブモジュールは900×300mm、主に海岸を表現した部分である。

モジュールはフラットトップだが、シーナリー(主に地形)に合わせて底面からの高さを30mmと70mmの2種類とした。モジュール自体はまとめ役の宮津氏の伯父さんが大工さんだったことから、大量発注してコストと製作時間短縮、接続時の安定性を確保することができた。

基本となるモジュールを縦横1:2にしたため全体のレイアウトは自由度が高く、ほとんど駅から駅というモジュールになっていながら、接続部両側で自然にシーナリーがつながっている。また、背面に位置するモジュールを借景として広がりが出るような配置としている。

【モジュール製作の統一コンセプト】

◇季節: 逗子電夏物語という「とれいん」誌のタイトルのように、真夏のシーナリーで統一。
◇時代: 昭和30年代前半を基本に連載後半で展開する現代の姿にも対応。主に車両と沿線の建物の
     一部で表現した。
◇場所: 国鉄逗子駅前を始点とする地方鉄道、現地の風景やミクロな街角、建物などで逗子から長者
     が崎を表現する。
◇物語: とれいん誌に連載する逗子電夏物語をモジュールレイアウト上で表現し、海水浴客で賑わう
     路線と沿線をシーナリーと運転で再現する。
◇運転: ダイヤを作成し実際の逗子海岸電軌を模型で表現する。湘南電鉄(京浜急行)

【モジュール規格の統一】

 多人数で製作する集合モジュールという性格から物理的な接続、電気配線を全モジュール統一し、全モジュールでのダイヤ運転を行えるようにした。

◇レール 全てのモジュールでPECOの木製枕木フレキシブルレールと小型ポイントを使用。
     またレール側面はウッドブラウンのスプレー缶を吹き付けで錆色を表現した。
◇高さ  レール面は70mm高のモジュールにフレキシブルレールを直貼りした高さを基準とした。
     基準高はモジュール接続部分でその高さになることとし、モジュール内は自由である。
◇接続  モジュール同士の接続はモジュールの突き合わせだけ、ガムテープでモジュール端を固定して
     いる。
     レールの接続は各モジュール端から30mm内側に固定レールを引っ込め、モジュール間はフレ
     キシブルレールを切断した専用の接続レールを使用する。電気的にはジョイナーによる接触と
     モジュールの制御盤への給電。
◇分岐  PECO小型ポイント+PECOポイントマシンを使用した遠隔転換とした。
◇制御  全線を大きく2ブロックに分けブロック内を通しで運転可能なキャブと各駅毎のキャブによる
     マルチキャブコントロール方式。全線、全駅、全セクションは通しキャブと隣接駅キャブ、
     自駅キャブを選択可能とする。ブロック切り替えとなる森戸駅のみ2ブロック両側のすべての
     コントロールを受け入れる。
◇運転  ダイヤに基づく運転を行う。途中駅を通過する優等列車は通しキャブにより運転、各駅停車は
     駅間を次駅キャブにより運転する。駅での入換えは駅キャブを使用。

 

 左:モジュールの高さとレール

 住宅地や中心駅では高モジュールが便利だが、単調な地形となりがち、郊外や海辺では低モジュールを使って地形に変化を持たせ生き生きしたシーナリーを実現した。

逗子海岸電軌のモジュール製作と撮影風景

とれいんの撮影と運転会に備えての連接運転試験などモジュールを持ち寄った時に撮影したスナップです。

とはいえ、残念ながらモジュール制作中の写真は数枚しか撮影していない。
9名のメンバーがそれぞれ自宅で製作を進め、約半年の製作期間中に持ち寄って作業したのが数回。撮影間際まで工作は続いていた。

←長者が崎付近
モジュール台枠は宮津隊長の叔父さんに当たる本職の大工さんにお願いした特注品。ベースは地形によって3cmと7cmの2種がある。
写真の左モジュールが7cm、その右は5cmモジュールから地形を立ち上げているのが判る。(御用邸前−長者が崎)

右がその区間のとれいん撮影時の様子→

逗子駅前から京急逗子

撮影時にはこの通り!

逗子本町

関口さんの担当。
京急逗子線への連絡線と逗子海岸電軌の車輌基地があるモジュール。
線路が多い方がシーナリーが楽?というが電気配線は辛かったとか?

こちらが撮影時の本町 → 

 

海辺の3モジュール

海宝から真名瀬にかけての海辺のシーンは逗子海岸電軌の中心テーマとなる部分。

海や浜辺の表現は難しい上に、生活感や生き生きとした風景を演出するには、相当の作り込みが必要となる。
地面と建物だけのシーンと小物や人を配置したシーンでの躍動感の違いがよく判る。

↓海宝から清浄寺、宮津さんの担当地区。モジュールによって進行状態の違いが判る。

↓清浄寺のその後。作り込まれた様子は雑誌とれいん撮影時

 森戸モジュール

←地形と一部の建築物ができた時点。
 90×45cmのスペースでも自然な風景になるまでにはかなりの作り込みが必要だ。
 線路より高い街並みと海辺の街並み、高低差で
 シーナリーに変化を付けている。

   夏、賑わうシーンを撮影 →
   多くの小物が雰囲気を盛り上げる。

 真名瀬モジュール

←形ができあがったばかり、右の写真と比べ全体に寂しい雰囲気。
 

  左の写真の完成後の姿(真名瀬)→
  地形の変化がよく分かります。 

 一色〜御用邸 →

 山の作り方も人それぞれである。
 真水さんの担当地区は、まずハゲ山が出現

 その後、右のように葉が茂った。
 

撮影前の悪あがき?(私)↓