その1:アンデコをデコレートする 1

そんなわけで、アンデコなのであります。

アンデコ=アンデコレーテッドを略してそう呼ぶわけでして、私も最初はなんのことか??でした。
アメリカの鉄道は私鉄ばかり、数はどれだけあるのでしょうか、時代とともに変遷していることを考えると無限に近いというのはオーバーですが、相当な数が存在し消滅してきました。そして、殆どの場合、日本のように各社独自の車輌を作るというのではなく車輌会社がセールスする車を買って運行するというスタイルです。ですから、各社それぞれの目的に合わせて購入していますが、他社と似たような車を使うことになります。これは、貨車や客車だけでなく蒸気機関車もディーゼル機関車も電車や気動車でさえも同じスタイルの車が各社を走ることになります。

アメリカ型の模型製品はこういった実物の事情から、一つの形式を作ると、いくつもある鉄道会社の塗装や標記にしてバリエーションを増やします。ヨーロッパの製品でも見られる現象ですが、アメリカ型はもっと徹底しています(実物の徹底ぶりがそうさせています)。
しかしながら、いくらバリエーションをと言っても相当な数の鉄道会社名(あちらではロードネームと呼びます)を供給するのは至難の技。そこで登場するのが「アンデコ」です。

アンデコであれば、ユーザーがお気に入りのロードネームに塗装や標記を作り込むことができます。いちいち塗装を剥がすのはばかげてますからね。ま、似たような色をつかう貨車などにはアンデコではないアンレタードという製品もありますが。そう、標記だけないものです。

アンデコやアンレタードの製品を上手く利用して、自宅のレイアウトをオリジナルな架空鉄道にして楽しまれているモデラーも多いのだそうで、雑誌などで紹介されている記事を見ていると妙にカッコイイ塗装のロードネームを見かけます。元来が派手な塗装の多いアメリカの鉄道ですが、架空のロードネームには実物を凌ぐ絶品があります。

私はそんなセンスを持ち合わせているわけではないので、アンデコ車の利用法は、市販されていない塗装やロードネームを自作する程度になります。メインで収集しているB&Oはともかく、実物でも乗り入れや提携のあったWM(ウェスタン・メリーランド)、RDG(リーディング)では発売されていない機種もあり(それでもまだメジャーな方ではありますが)、痒いところに手が届くデカール製品などを利用して気に入った車輌を我がロードネームにしてしまおうという趣向であります。

今回使用したのは、ATHEARN製のSW1000/1500キットです。

台車と本が欲しかったので通販を利用したら、国際発送の下限に満たないとお叱りを受け(^^;)急遽追加した製品でした。なにしろちゃんとフライホイールの付いた製品なのに$27.68という破格の値段だったので、員数合わせにちょうど良いのです。

右の写真がそのキット、箱と中身です。付属品としてKDタイプのカプラーと手摺りなどが入っています。勿論、このままでもちゃんと動きます。

アンデコ車はこの写真のようにプラ成型そのままです。灰色のものもあります。
ATHEARNは日本ではモデルアイゼンバーンさんが輸入元になってますが、入門用には安価であることもあって最適だと思います。成型もかなりしっかりしてますし、欲を言わなければ

これで十分。さらに、モーターやディテール部品など追加パーツも豊富に発売されているので、走りや外観を追求することも可能です。以前は相当荒っぽい製品もあったように聞きますが、最新の製品はそこそこの品質になっています。

 

まずは、このままでは色を塗ることはできないので左の写真のようにばらしました。下回りは一体のフレームにモーターや動力装置が組み込まれています。箱に入っている組立図は一枚ものですが、すべてのパーツの組み込み状態まで判るすぐれものなので、分解もたいへん楽です。

上回りは大きく3パーツ、エンジンのカバー部分とキャブ、そして窓ガラスです。

ばらしたら、塗装に入るまえにパーツを洗っておきます。中性洗剤で離形剤を流し落とします。その間に塗装の準備。準備が整ううちに綺麗に乾いてくれました。

今回のSW1000/1500は前から欲しかったリーディング鉄道の最新の塗装(といっても1970年には倒産した鉄道ですが)にします。

殆ど緑一色のシンプルな塗装ですが、ランボードと前面下回りのみ黄色になります。問題は塗料。さすがにGM鉄道カラーにリーディングなんてないですからね。塗料も通販で取り寄せれば調合カラーがあることはあるのですが、塗料も通販できるところでは台車がなかったりしまして、今回は塗料は揃えられませんでした。そこで、タミヤのプラ用カラーから近い色を選んで使用することにしました。

 

途中まで塗り終わった写真が左です。
タミヤのデイトナグリーンという色、写真では若干派手に見えますが実際にはもう少し落ち着いた色合いです。

この後、床下のタンクは黒、前面の黄色はゼブラにします。
また、肝心なロードネームもまだです。これは市販のデカールでもいいのですが(安いし)自作デカールにすることにしました。キャブにナンバー、ボンネットにロードネームを入れ、艶消しのクリアを吹けばほとんど完成になります。

(続く)

2001/09/01

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