電子工作のお話

その1.ポイントの制御

10年前から使っているコンデンサを使ったポイントマシンの駆動

当社のレイアウトやモジュールはほとんど英国PECO社製のポイントを使ってます。
レールの形状や細さがとても実感的なことや、ポイントやクロッシングなどレールのバリエーションがとても豊富で、複雑なレイアウトを組むのに困らない品揃えが気に入っています。複線の間隔も28mmぐらいになり、ともすれば広くなりがちな組線路に比べて仕上がりが綺麗になります。また、ポイントマシンや切り換えスイッチなどもしっかり揃っている線路のトータルメーカーです。

このPECO社製のポイントは、先端レールにバネを入れてパチンパチンと切り換わる方式になっていて、電気的にもしっかりと接続してくれる優れものです。ポイントマシンも専用のソレノイドタイプのものが準備されていて、線路の裏側から作動させるようになっているので、レイアウトでも大きなマシンが表にでることなく違和感のない風景が作れます。

さて、前書きはこの辺で、今回のお話は、そのポイントマシンを制御するやり方です。方法としては10年以上前から使われている、今では一般的な方法ですので、ご存じのかたも多いかと思います。

私の考えるPECOのポイントの欠点は、マシンが古くなると錆びなどで動きが渋くなることと、マシンとコントロールボード間にポイント当たり3本の配線が必要になることです。

この方法の特徴は
・ポイントマシンとコントロールボード間を2本+共通の電源ライン1本で済ませられるので、配線をハンダ付けする手間が2/3になります。
・ポイントの開通方向がスイッチの向きで判る。
・一度に強い電流が流れるので、動きの渋くなったマシンでも強力に転換できる。
といったところです。

実体配線図:

このように、コントロールボードとレイアウトモジュールの間はポイント1つに2本の配線と共通の電源線1本だけです。

PECOのマシンは、ポイントの先端レールをソレノイドを開通方向に動作させて動かすものです。制御は開通させたい方向のソレノイド(コイル)に12V、2Aほどの電流を流すと強い力でバネの付いた先端レールをパチンと切り替わるのですが、マシンの取り付け方や鉄芯の錆び方などで力が必要になることもあります。コンデンサの充電、放電を使って一度に電流を流すことができるので、こういった欠点をカバーできます。

ポイント選択スイッチは、従来の方法では長い間ONにしているとコイルが焼き切れてしまうので、マシンが作動したらすぐに切らなくてはなりませんでした。中立OFFのスイッチを使うか、タッチ式にしないとコイルを破損してしまいます。
この方法では、ポイント選択スイッチは動作させてからも同じ向きに固定することができるので、スイッチの向きで開通方向を知ることができます。ロータリースイッチを使えば、CTCの制御盤のようにポイントの開通方向にレバーを向けておくこともできます。

動作は次のようになります・・

上の図では、先端レールを上側に動かします。
ポイント選択スイッチをコンデンサのマイナス側を接地させる向きにすると、ポイント用の電源から上側のコイルを通ってコンデンサを充電する向きに電流が流れます。このとき、ソレノイドが働いてポイントを切り換え、コンデンサが充電を終え飽和すると電流は流れなくなります。ポイント選択スイッチをそのままにしていても電流が止まるのでコイルを焼き切ることはありません。

では、ポイント選択スイッチを逆側に倒した場合は・・

上の図のように、コンデンサと下側のコイルが結ばれ、充電されていた電気はコイルに流れソレノイドが下向きに作動します。こちら側でも、コンデンサに蓄えられた電気をすべて放電してしまうと電気の流れが止まってコイルを焼き切ることはなく、スイッチの向きはそのままでも安全です。

 

まとめ、回路図にするとこうなります。

コンデンサは1000マイクロF(ファラッド)、25V耐圧のもので十分です、容量を大きくすると力強くなりますが、やりすぎるとコイルが焼ける??

やったことないので判りません^^;


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