第3話 Digitrax社のセットと機能、電源など  
2001.9.22

もくじ
 ・セット内容
 ・
電源と運転
 ・
接続
 ・
運転
 ・
2列車制御

私の購入したセットはDigitrax社のEmpire Builder です。
KATO が販売を開始したセット Chief2, Genesis2 のちょうど中間に当たるセットで、コマンド・ステーションはGenesis2 と同じDB150、スロットルが Chiefと同じDT100(現在はChief2・Empire Builder2となりスロットルはDT300)です。その後DT300も購入しているので現在は Empire Builder2 と同じ構成になっています。

Digitrax社のセット内容 (2001.9)

セット名

コマンド
ステーション

スロットル

最大列車数
スロットル数

アドレス
親機・子機
プログラミング
KATO扱い

Chief2

DCS-100
DT-300
120
4桁
専用端子あり

Empire Builder2

DB-150
DT-300
22
4桁
走行レールで
×

Genesis2

DB-150
UT-2
22
2桁
走行レールで

システムとセット内容

左がDCCシステムの中核となるコマンドステーション、エンパイア・ビルダーでは写真のDB150。下がスロットル、下右がDT-100、左がDT-300、液晶の表示部が少し大きく、DT-100の液晶表示は4桁の数字とオン・オフで表される情報が少々、DT-300では文字も小さくなり4桁の数字以外の文字情報が増えています。

セットには他にマニュアル、解説ビデオ、デコーダーチェック用の小パーツとデコーダーが1つ入っています。解説ビデオはNTSCですから日本でも家庭用ビデオで見ることができますし、セットの解説、電源の接続方法やデコーダーの取付、アドレスの設定、プログラミング等々、マニュアルと格闘するよりも解りやすい構成になっています。英語はアメリカンですが比較的ゆっくりしゃべっているのでよく聞けば判りやすいと思います。

電源と運転

運転にはセット以外に電源が必要となります。
最大電圧はAC22V、DC28Vで、交流でも直流でも問題ありません。また最低電圧はどちらも12.6Vです。解説ビデオではパワーパックのACを使ってますが、専用の電源を用意するほうがいいと思われます。容量が大きいほど機関車を増やすことができますし、走行中に他の列車が動き出すと速度が低下することもなくなってきます。5A以上流れるとコマンドステーションが過電流を遮断するので5Aのスイッチング電源があるとベストです(デコーダーの定格はN用が1A、HOは1.5A)。

それでも5Aで運転できる列車数はDCS-100の120列車どころかDB-150の22列車でさえも怪しいものです。このため、DB-150はDCS-100の子機(ブースター)となることができるようになっています。

DB-150のターミナルにちょっと配線を足すだけでブースターとなって電源を供給することができるので、運転会などたくさんの列車を運転する場合には親機のDCS-100とDB-150の組み合わせが必要になります。もちろん、自宅で運転する程度でしたら5A以下の電源でも十分です。

接続

運転の前に、当然ですが、セットを配線します。
パワーパックのACや自前の電源とセットのコマンドステーション、そしてレールへ配線すると、一連の電源ラインができあがります。コマンドステーションの配線コネクターはすべて全面にあるのでとても扱いは楽です。
電源の出力はコマンドステーションの「POWER IN」端子に接続します。接続には小さめのマイナスドライバーが必要です。レールへは「RAIL A」「RAIL B」から配線します。

これで電源ラインは配線できましたが、肝心のスロットルがないと列車の制御ができません。

※ここで、用語をちょっと統一。Digitrax社のマニュアルやカタログでは「スロットル」という言葉をDT-100やDT-300, UT-2 を指して使っています。が、そのスロットルについているつまみ2つ自体が本当の意味でのスロットルつまみとなるので、この先、DT-100等を「コントローラー」と呼び、つまみ部分を「スロットル」と呼びます。わかりにくくてすみません。

コントローラーには電話で使っているモジュラージャックが付いたコードが接続されているので、これをコマンドステーションのジャックに差し込みます。2つ口があるので2台が接続できますし、ロコネットケーブルでブースターへの配線もここから行います。

これで配線は完了、電源をコンセントに差し込んでコマンドステーションに電気を流すと「ブピー」って感じの音がします。これでOK。

運転

コマンドステーションの電源は2つあるスナップスイッチの右側を上に上げます。その前に、左側のスイッチを使用するゲージに合わせます。これは最大電圧の制限を行うスイッチで、Nで12V、HO16V、Gゲージ18Vになっています。右の電源スイッチはオン・オフだけではなく3段のスイッチなので、一番上まで上げないとスイッチが入りません。

コントローラーの表示は電源が入ると「idle」から「SEL」に変わります。そして、上側にある2つのLEDがオレンジに光ります。この状態ではレールに電気は流れていません。

そうそう、レールには試運転機関車を乗せておかないといけませんね、デコーダーの入った車を乗せておきましょう。
次に、コントローラーを使ってレールを通電状態にします。8つ並んだ押しボタンスイッチの[RUN](上左)と[+](下左から2番目)を同時に押して通電させます。するとLEDはどちらか一方が緑に変わります。通電をオフにするときは同じように[RUN]と[-]を押します。

プログラミングされていないデコーダーのアドレスは出荷時に03になっています。ここではこの03機関車を運転します。デコーダーのアドレス設定はまたのお楽しみ。
コントローラーには2つスロットルつまみがあります。運転したい側のつまみをちょっと回して(左右どちらにも回ります)運転するスロットルつまみを選択します。回した側のつまみ横のLEDが緑になったと思います。ここで上段右から2番目の[SEL]ボタンを押して運転する機関車のアドレスを指定します。DCCでは、すべてのレールと機関車に通電してその中から自分の好きな機関車のアドレスを指定し、その機関車だけを運転することができるようになっています。

[SEL]を押したら運転する側のつまみを回して表示されている2桁の数字を03に合わせます。運転する機関車のアドレス(ここでは03)をしたらもう一度[SEL]を押すと4桁表示の左2桁が03になります。右2桁は00になっています。つまみ横のLEDは緑か赤になっていますね。これは緑が前進、赤が後進を表しています。デコーダーの入った車両は前後が決められてしまいます。方向を変えるには、下段の押しボタンの左右にある矢印ボタンで選択します。

これで03機関車をコントローラーで指定できましたから、スロットルつまみを右回りに回すとゆっくりと動き出します。表示されている右2桁もつまみに合わせて数字が変化していきます。右に回せば数字は大きくなり、左は小さくなります。この辺りはパワーパックでの操作と全く変わるところはありません。最大スピードは右2桁が99になったときです。

試しに、同じレールにデコーダーの入っていない機関車かすでにアドレスをセットした機関車を置いてみてください。コントローラーで制御できるのは今アドレスを指定した機関車だけで他の機関車は動かないのが判ると思います。(アナログ機はモーターが唸りライトが両方とも光ります)

 

2列車制御

さて、工場出荷時のアドレス03を搭載した機関車は順調に動きましたか?
ここでちょっとだけDCCを楽しんでみます。出荷時のデコーダーはアナログと同時制御ができるようになっているので、デコーダーを積んでいない機関車とこの03機関車の2台を別々に制御してみます。

アナログ機のアドレスは00と決められています。
すでに左右どちらかで03機関車が制御できるようになっているので、反対側のつまみで00を制御できるようにセットします。手順は03機関車をセットした時と同じです。アドレスだけ00にセットします。

ちょっと運転は大変ですが、同じレール上に00と03を置いて左右のつまみを操作して同時運転ができます。当然、実物と同じように衝突もあり得るので注意して運転してください。

次回はアドレスのセットです。

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