第2話 BEMOにデコーダーを搭載する |
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2001.7.14
DCCの話題、第2話もデコーダー搭載の話題です。
今回はBEMO。ドイツのBEMO社が製造販売しているスイスメーターゲージの車輌をデジタルコントロール可能にします。メーターゲージのナローですが、Nゲージの車輌に比べれば大きく扱いやすく、用意したZゲージ用のデコーダーは勿体ないくらいです。ものが大きいだけに写真も撮りやすいので今回は写真をたっぷり添えてご覧いただこうと考えてます。
右が用意したBEMOのGe2/2IIというスイスRhBの機関車です。B-Bの軸配置ながら、日本のEF65にも匹敵するという強力な機関車で、現在は旅客運用を後継機に渡してしまいましたが、ちょっと前まで氷河急行やベルリナ急行など日本でも有名な観光列車を牽引した名機です。BEMO社の機関車は、日本のNゲージ車輌と構成自体は似たようなもので、センターに1つのモーターがダイカストブロックにセットされ、ウォームで台車に動力を伝達しています。車体はプラスティック製で、
KATOやトミックスの機関車のように、ノッチで車体と動力ブロックが噛み合わされています。ボディと動力の分離は、精密ドライバーを差し込んでこのノッチ部分を拡げると簡単に外すことができます。(下左)
車体裏にはパンタグラフ集電の接点があるだけで、車体と動力は完全に分離できる設計になっています。3つあるヘッドライトも、動力側に導光用のアクリルブロックがあるだけというなかなか上手い設計です。
で、ライトはどこ?
実は、右の写真黄色の矢印の導光部のすぐ後ろ、接点が下に降りている部分がライトの接点で、その下に下向きに収められています。ここのからくりは大変面白いので後でゆっくりご説明します。
動力ブロックの上には配線をまとめた基板が載っています。左右の車輪に当てられた集電シューからのリード線もこの基板にハンダ付けされており、モーター、ライトへは隣青銅板の接点が伸びて、この一枚で配線が完結しています。
ありがたいことに、ダイカストブロックへはライトのコモンだけがアースされているだけなので、モーターとレールの間に入れることになるデコーダーの配線も楽に行えます。
配線を解読してふと疑問に思ったのは、ライト切換用のダイオードが見あたらないこと。ライトを引き出して見ると、なんと接点かと思っていた丸い金属板がダイオードの役をしている
のです。昔懐かしいセレンですかね?
こういった基板はできるだけ使うと配線がきれいにまとまるので、アナログ仕様からデジタルへパターンをカットしていきます。基本は、レールからの線とモーターへのパターンをカット、同じように、ライトへのパターンをカットします。
さらに、信号は交流成分を含むのでコンデンサは取り去っておきます。
基板の準備ができた状態→
←
プリント基板の準備が出来上がったら、デコーダーを仮止めして配線の長さを適当な長さにカットしておきます。また、ボディを被せてデコーダーがうまく収まるかもチェックしておきます。一旦デコーダー本体を外して、間違えのないように配線をハンダ付けします。特に、ライトの前後。白と黄色の線と赤と黒の線の関係を間違えないようにします。→
配線が終わったら、両面テープでデコーダーを止めて、モーターやパンタグラフの接点などの邪魔をしないように配線を収めます。一本ずつ、ピンセットで癖をつけながら収めたら、ボディを被せて完了です。
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